研究内容紹介

組織細胞学
連絡先:西山正章 TEL:076-265-2150 e-mail:nishiyam@staff.kanazawa-u.ac.jp
私たちは発達障害・がん・老化・不妊症など、基礎医学と臨床医学の架け橋になるよう な研究をしています。治せない病気を治すために、世界一流を目指す研究者を養成します。医学研究の教育はどこにも負けません。一生を共にする研究と仲間に出会い、自由な発想で新しい世界を創造して、100年先の未来に夢と希望をもたせる大発見をしましょう!
私たちは培養細胞(ES細胞、iPS細胞、神経細胞、がん細胞など)や遺伝子改変マウスを用いた研究を行っています。分子生物学的手法に加え、ゲノム編集、次世代シークエンサー、高速原子間力顕微鏡、オルガノイド培養、光遺伝学、人工知能など最先端のテクノロジーを駆使して、新しい生命現象の解明や疾患治療法の確立を目指しています。
私たちの教育を知ってもらうためには、まずはジャーナルクラブへの参加をお勧めします。人生の成功を渇望する人には、最高のパラダイスであり、インキュベーターでありたい、というのがラボポリシーです。必死で頑張れば、きっと今までに見たことのない美しい景色が見えてくるはずです。私たちと知的好奇心を刺激する美酒に酔いましょう!
http://ana1.w3.kanazawa-u.ac.jp/jc

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機能解剖学
連絡先:尾崎紀之 TEL:076-265-2156 e-mail:kaibou2@med.kanazawa-u.ac.jp
痛みは生体の警告系として重要であるが、必要以上に強い痛みや慢性的な痛みは私達を苦しめる。なかでも内臓痛や筋骨格系疼痛は頻度が高く、臨床的にも重要であるがその発生機序はよくわかっていない。そこで機能性胃腸障害や糖尿病性神経症、末梢動脈疾患に伴う疼痛の発生および維持のメカニズムを明らかにすることに特に力を入れている。また、原因が取り除かれても長期に続く痛みを慢性痛と呼び、それは警告系としての役割は無く、不安や抑うつ状態などを引き起こして生活の質を低下させる。慢性痛モデルを用いて、慢性痛への移行の機序や治療の研究にも取り組んでいる。

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神経解剖学
連絡先:堀修 TEL:076-265-2162 e-mail:osamuh3@staff.kanazawa-u.ac.jp
脳内には、高度なネットワークを構築して情報のやり取りを行う神経細胞の他、脳という特殊な環境を維持して神経活動をサポートするグリア細胞、そして血管細胞など複数の細胞で構成されています。このうち、神経細胞は環境の変化、即ちストレスに非常に弱く、容易に機能障害、更には細胞死に至ることが知られています。一方、グリア細胞、その中でもアストロサイトはストレス適応力が強く、過酷な環境でも生き延び、神経保護や組織修復に働くと考えられています。これまで当研究室では、低酸素などのストレス下で培養したアストロサイトから複数のストレス遺伝子、特に小胞体ストレス応答遺伝子をクローニングし、それらの機能解析を足がかりに、脳内におけるストレス応答の重要性を明らかにしてきました。現在、脳卒中、神経変性疾患、外傷、更には精神疾患など、様々な神経疾患モデルマウスを用いて、細胞毎のストレス応答の違いとその重要性を明らかにしています。今後、ストレス応答を起点とした新たな神経保護法の開発を目指していきたいと考えています。

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血管分子生理学
連絡先:内藤尚道 TEL:076-265-2165 e-mail:hinaito@med.kanazawa-u.ac.jp
全身に張りめぐる血管は、循環ネットワークを形成して、組織に血液を届け、老廃物を除去することで、生命維持を担っています。近年、血管は血液を輸送する単なる導管ではなく、周囲の細胞と活発に相互作用することで、組織の機能を支え、組織の恒常性を維持していることが明らかになっています。また血管は癌、心筋梗塞など様々な疾患の病態形成に重要であることが知られています。
私たちの研究室では、このように生命現象と深く関わる血管の研究を通じて、さまざまな生理現象や疾患病態の解明を目指しています。基本的な分子生物学的手法に加えて、最先端の高解像度イメージング技術や1細胞遺伝子発現解析、マルチプレックスイメージングを応用することで、血管内皮細胞や周皮細胞の未知なる機能の解明に取り組み、疾患の治療につながる基礎医学研究を目指しています。

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統合神経生理学
連絡先:三枝理博 TEL:076-265-2173 e-mail:mieda@med.kanazawa-u.ac.jp
行動や様々な生体機能(睡眠、体温、ホルモン分泌、自律神経機能、等々)は、約24時間周期の概日リズム(サーカディアンリズム)による調節を受けます。したがって、概日リズムの乱れにより様々な健康障害・疾患リスクが増大します。視床下部の視交叉上核に存在する体内時計が中枢概日時計として機能し、概日リズムを発振します。当研究室では,様々な遺伝子改変マウスに、電気生理学、薬理学、組織学、行動学、光遺伝学、分子生物学などの手法を適用し、中枢概日時計の神経ネットワークのメカニズムや、中枢概日時計が行動や様々な生体機能を制御する神経メカニズムについて、研究しています。また、中枢概日時計の乱れにより行動や生体機能にどのような問題が生じるのかを明らかにし、さらにその乱れを正すために中枢概日時計を自由自在に操作できる技術の開発を目指しています。実験や研究を体験したい方から、学会発表や論文発表を目指す方まで、興味・やる気のある方は歓迎します。

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分子遺伝学
連絡先:倉知慎 TEL:076-265-2176 e-mail:kurachi@med.kanazawa-u.ac.jp
T細胞分化研究から「免疫記憶」を解き明かす
免疫学的記憶は専ら 細胞と細胞によって担われています。なかでも陽性細胞はその精密な抗原認識力や強力な細胞傷害性から、生体内異物に対して最終的な防御機能を果たしています。免疫システムの最大の特徴である「免疫記憶」を理解し、分化を最適化してワクチン・癌免疫療法など臨床応用を発展させるためには、分化の分子機序を解明する必要があります。私たちは、分化を調節する転写因子に着目して、遺伝子発現を統御する転写因子群の分子間相互作用と階層性、さらに転写因子が調節するゲノムワイドなエピジェネティックスの変遷を明らかにして、分化プログラムの分子機序を解明することを目指しています。生命科学にとって最も重大なテーマの一つである「免疫記憶」の謎を一緒に解き明かしましょう。免疫学は難しい印象があるかもしれませんが、予備知識や実験経験がなくても大丈夫。一つ一つの実験手技や知識の習得に加えて、論理的思考法、プレゼンテーション技術、医学英語なども習得し、将来様々な分野で活躍できる基礎を学びましょう。詳しい情報は研究室の HPを見て下さい。
http://molgenet.w3.kanazawa-u.ac.jp/wordpress/

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血管分子生物学
連絡先:山本靖彦 TEL:076-265-2182 e-mail:yasuyama@med.kanazawa-u.ac.jp
生体はグルコースをはじめとする糖質を消費し、エネルギー源であるATPを産生することで生命活動を維持している。しかし同時に生体内の糖質はさまざまなタンパク質・脂質・核酸と非酵素的に反応することで後期糖化反応生成物(advanced glycation end-products, AGEs)を形成してしまう。最近ではこのような老化を促進し、加齢に伴う現象は“糖化ストレス”とも称されている。例えば高血糖状態である糖尿病は生体内でこのような反応を促進し、動脈硬化・糖尿病腎症・糖尿病網膜症などの血管合併症を引き起こす。糖化ストレスが関わる加齢疾患・代謝疾患・神経変性疾患などをAGE側から、さらにAGEの受容体(receptor for AGEs, RAGE)側からも生化学的・分子生物学的・実験動物学的アプローチを用いて研究し、分子標的治療薬の開発・応用にも取り組んでいる。最近では、糖化消去酵素glyoxalase 1の発現誘導の研究を進めており、さらにRAGEの自然免疫としての機能のみならず新たな愛情ホルモンとして知られているオキシトシンの生理作用にも関わることが分かってきたため、研究の領域は炎症・幹細胞・がん・神経内分泌・精神疾患・愛情のサイエンスにも拡がってきている。

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人体病理学
連絡先:原田憲一 TEL:076-265-2195 e-mail:kenichih@med.kanazawa-u.ac.jp
当教室では、肝臓病の正確な病理診断および新しい治療法の開発など臨床応用を見据えた肝胆道系疾患の基礎的研究を行っています。特に、ウイルス性肝炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、薬物性肝障害、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎(肝硬変)、肝内結石症、胆道閉鎖症、IgG4関連硬化性胆管炎を中心とした病態生理の解明や病型分類の提唱、また肝硬変患者への治療を目的とした脱線維化機構の解析、さらに肝細胞癌や胆管細胞癌の発癌機構について、免疫病理学および分子病理学的解析を進めています。また、再生医療の確立に向け、ヒト肝臓の胆管再生およびstem cellの探求も行っています。

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細菌学
連絡先:藤永由佳子 TEL:076-265-2200 e-mail:yukafuji@med.kanazawa-u.ac.jp
グラム陽性嫌気性菌であるクロストリジウム属菌には、ボツリヌス菌、破傷風菌など重篤な疾患を引き起こす菌種が存在することが知られています。一方で、クロストリジウム属菌は人の消化管にも多く常在し、正常な腸内細菌叢を構成する重要な菌種を含んでいることが最近明らかになってきました。当研究室では、このように生体の恒常性維持と疾患に深く関連している本属菌を主な研究対象としています。我々はこれまでに、ボツリヌス菌が産生するボツリヌス毒素が、巧妙な分子機構で体内に侵入する機構を明らかにしてきました。このような研究を発展させて、外来病原性因子と粘膜バリアの相互作用に関する基礎的研究や、上皮バリアを破壊して薬物を送達するDDSへの応用、組織工学への応用、新規治療薬の開発などに挑戦しています。

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国際感染症制御学(寄生虫学・ウイルス学)
連絡先:所正治 TEL:076-265-2821 e-mail:para@med.kanazawa-u.ac.jp
寄生虫およびウイルスを対象とした感染症疫学研究を専門とする研究室。新型コロナウイルスのパンデミックについては、いしかわ県民新型コロナ抗体保有調査を担当しており、国内外での感染症のフィールド調査を実施している。
ケニアにおけるHIV/AIDS陽性学童を対象とした調査では、網羅的な腸管寄生原虫の分子分類による検出データをベースに、腸管寄生原虫の宿主免疫に与える影響を評価し、日和見感染による宿主への悪影響ばかりでなく、CD4陽性細胞数の低下を阻止するアメーバ類の感染などを明らかにしてきた。また、寄生虫蔓延地域であるインドネシアにおける腸管寄生原虫叢の研究では、人類とともに共進化してきた各種原虫類のヒトとの共生の実態を明らかにし、さらに宿主免疫の恒常性への寄生虫感染による寄与なども定量的に評価してきた。
撲滅の対象とされてきた寄生虫だが、このような宿主に対する寄生虫の貢献は、アレルギーや自己免疫疾患に対する新たな治療法として活用できる可能性がある。いかにこのアイデアを形にするか、主に外国人留学生の博士課程学生と日本人研究者が協力して活発な研究活動を進めている。

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衛生学・公衆衛生学
連絡先:中村裕之 TEL:076-265-2218 e-mail:hnakamu@staff.kanazawa-u.ac.jp
当研究室の主な研究テーマは疫学である。疫学はヒトを対象とした研究すべてに渡り,当研究室では,住民を対象とした生活習慣病の疫学から,病院における疾患ベースの臨床疫学まで幅広く研究することができる。また、分子疫学において研究対象となる遺伝情報も取り扱う。さらに疫学の基盤は統計学であるので,具体的な疫学データを用いてこれを習得すれば,衛生学・公衆衛生学,予防医学の第一線にまで辿り着くことも可能である。またどの分野にも応用が利く点では,将来の臨床医や産業医としても必ず役に立つと言えよう。具体的な研究テーマは「石川県志賀町における生涯一貫型・全住民参加型健康づくり研究」,「職場におけるメンタルへルスとその予防法の開発」,「環境中化学物質、黄砂のアレルギーへの影響の評価とその分子病態の解明」などである。21 世紀は予防医学の時代であり,その基盤の疫学を基礎から学ぶことができる。

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幹細胞免疫制御学
連絡先:渡会浩志 TEL:076-265-2205 e-mail:hwatarai@med.kanazawa-u.ac.jp
当研究室では「基礎研究の成果を臨床現場へ」をモットーに、再生・細胞医療等、従来の医療技術では解決できない疾患治療を可能とする研究開発、従来にない効果が期待される創薬技術開発、新規医療機器装置への応用可能な要素技術開発を目指しています。
MRTプログラムではこれら研究開発の下地となる分子生物学、細胞培養、動物実験などのスキルや知識を身につけることができる他、学術論文の読み方や研究発表などのプレゼンテーションスキルなど、幅広く習得していただきます。
キーワード:免疫学、幹細胞学、iNKT細胞、iPS細胞、フローサイトメーター、遺伝子改変マウス、一細胞解析

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脳神経医学
連絡先:河ア洋志 TEL:076-265-2363 e-mail:kawasaki@med.kanazawa-u.ac.jp
脳神経系の研究を体得するMRTプログラム
「脳」はおもしろい謎に満ちた臓器です。認知症などの脳神経疾患も重要です。私たちは脳神経系の発達や進化に重要な遺伝子を調べています。この理解は再生医学、脳機能異常や脳神経疾患の理解にもつながります。
研究室では、医学英語、論理思考、プレゼン技術や実験技術を基本から指導します。これらは将来的に必要ですが、医学類の講義ではあまり習いませんので、これらの点を重視します。実りある時間となるように基礎的な点から丁寧に指導するので、予備知識や経験がなくとも心配はいりません。実際に多くの先輩が学生時代に論文や学会発表をしています。
研究の楽しさやおもしろさなどがわかる部活のような研究室です。疑問や質問があれば気軽にメールで連絡して下さい。また興味があればいつでも研究室へ遊びに来て下さい。ワクワクする面白さを感じると思います。
研究室の場所は医学類E棟6階で、詳しくは下記を見て下さい。
http://square.umin.ac.jp/top/kawasaki/
https://www.facebook.com/hiroshi.kawasaki.372

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革新ゲノム情報学
連絡先:田嶋敦 TEL:076-265-2715 e-mail:atajima@med.kanazawa-u.ac.jp
生命機能は、一般に、内因(共通の生命過程と個人の特性)と外因(社会基盤を含めた環境)との相互作用により規定され、その綻びが顕在した状態を「病気」と捉えることができます。次世代シークエンサーと呼ばれる高速DNA塩基配列決定装置などが普及するにつれ、個々人のゲノム情報を比較的容易に取得することができるようになり、ゲノム情報の個人差・集団間差と、様々な疾患や形質との結びつきを明らかにすることが可能となってきました。私たちの分野は、ヒト多様性の観点から、種々の疾患・形質の成因、発生機序を理解することを目標に研究を行っています。個々の患者における疾病原因や発症機序は非常に複雑であるため、次世代シークエンサーなどを用いて取得された網羅的な生体分子情報(ゲノム、エピゲノムといったオミックスデータ)と、生活習慣を含む生活環境情報との統合解析からその複雑さを解きほぐし、種々の疾患・形質の成因、発生機序を理解し、新たな医療・予防法開発の根拠となる知見を生み出すことを目指しています。

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子どものこころの発達研究センター
連絡先:横山茂 TEL:076-265-2458 e-mail:shigeruy@med.kanazawa-u.ac.jp
当研究センターは基礎・橋渡し,臨床・社会実装及び文理融合・地域支援の3部門から構成されており,自閉スペクトラム症を中心とする発達障がいの病態の解明と診断・治療法の開発に取り組んでいます。MRT 学生を直接受け入れているのは基礎・橋渡し研究部門で,以下の研究を行っています。
1. 発症メカニズムの解明:自閉スペクトラム症のモデル動物を用い,自閉スペクトラム症の中核症状である社会性行動障がいを神経内分泌及び神経回路形成の側面から解明しようとしています。特に,オキシトシンの社会性行動調節作用に着目しています。
2. 新規薬物の開発:社会性行動障がいを改善する薬物の創製に取り組んでいます。
3. 画像遺伝学的研究 (Imaging genetics):臨床・社会実装研究部部門が小児用脳磁計など最新鋭の画像解析装置を用いた脳機能計測と診断法を開発しており,これに被検者のゲノム解析を組み合わせ,新しい診断システムを確立しようとしています。
4. 科学的根拠のある療育支援法の開発と社会実装:文理融合・地域支援部門が他の研究機関・教育委員会と連携しながらソーシャルスキル・トレーニング(SST)アート活動などを実施しており,これに協力してオキシトシン,ストレスホルモンを測定し、科学的根拠を検証しています。

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脳神経内科学
連絡先:小野賢二郎 TEL:076-265-2292 e-mail:onoken@med.kanazawa-u.ac.jp
脳神経系の疾患について診療や研究を行っています。
(http://neurology.w3.kanazawa-u.ac.jp/)
主な研究テーマは,脳における蛋白質の異常な蓄積を特徴とする病気(アルツハイマー病,パーキンソン病,レビー小体型認知症など)の根本的治療法の開発,そうした疾患を正確に診断するための画像研究(PET など),免疫の異常が原因で起こる神経系の疾患(神経免疫疾患)の研究などです。患者さんの診察や検査から,研究室での分子レベルの実験,認知症早期発見・予防のための地域でのフィールド研究まで,さまざまなアプローチを学ぶことができます。詳細は上記の連絡先までお問い合わせください。

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精神行動科学
連絡先:菊知充 TEL:076-265-2300/2307 e-mail:mitsuruk@med.kanazawa-u.ac.jp
1)発達障害、2)統合失調症の2つの分野についての研究を行っている。発達障害の研究では、自閉症の早期診断と新規治療法の開発を目指した研究を行っている。研究は子どものこころの発達研究センターと協力し遂行されている。統合失調症については、最大の問題である認知機能障害のメカニズムとして大脳皮質GABA作動性介在ニューロンの変化についての研究を行っており、介在ニューロンに特異的でその機能に重要な役割をもつ遺伝子の発現を統合失調症と対照例の死後脳組織を用い解析している。

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核医学
連絡先:絹谷清剛 TEL:076-265-2333 e-mail:kinuya@med.kanazawa-u.ac.jp
核医学・放射性医薬品と聞くと恐いですか?医療の中では、放射性医薬品が沢山使われています。診断から癌の治療まで様々な使われ方がされています。PET(ペット)という検査のことを聞いたことはないでしょうか。癌の診療には不可欠な検査になっていますし、認知症などの神経・精神疾患の診断に今後益々重要性をましてくるはずです。そのような診療の中でのデータを使った研究(臨床研究)が数多く実施されています。皆さんの好奇心をあおり立てる画像を沢山目にすることができるでしょう。また、実験室での放射性化合物を使った基礎研究も、関連施設との協同で脳研究、癌研究、循環器研究など多岐にわたることが行われています。

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皮膚分子病態学
連絡先:松下貴史 TEL:076-265-2340 e-mail:t-matsushita@med.kanazawa-u.ac.jp
膠原病で検出される血清中の自己抗体に関して、主要なものは医療検査として測定が可能だが、通常の検査で検出できない抗体が実際には数多く存在する。当教室では、全身性強皮症にみられる自己抗体(抗U3-RNP抗体、抗Th/To抗体ほか)や皮膚筋炎・多発性筋炎や間質性肺炎にみられる自己抗体(抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体、抗Mi-2抗体、抗MDA5抗体)などを免疫沈降法で測定している。これらの自己抗体の存在が明らかになることは、各症例の診断、治療の選択、予後の推定に非常に有用である。また、悪性腫瘍を合併する皮膚筋炎に検出される抗TIF1抗体、筋症状の強い全身性強皮症に検出される抗RuvBL1/2抗体を新規に発見し、世界的に大きな反響を受けている。

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肝胆膵・移植外科学
連絡先:八木真太郎 TEL:076-265-2362 e-mail:yagi@med.kanazawa-u.ac.jp
臨床では肝臓,胆道(胆嚢および胆管),膵臓の癌に対する手術や肝不全に対する肝移植手術などを行っています。肝胆膵癌は難治性の癌であり,高難度な手術技術を要します。一方で患者さんにとっては侵襲が大きく身体的負担を強いられることもあるため,最近では腹腔鏡やロボットを用いた低侵襲手術も積極的に取り入れています。また癌の根治のために手術のみならず,化学療法や放射線療法と組み合わせた集学的治療の確立に積極的に取り組んでいます。
この様な臨床医学を背景として,@患者さんの負担を軽減して癌を根治する研究、A肝移植における臓器保存や移植免疫、B手術時の虚血再灌流障害を軽減する研究、B肝切除や部分肝移植後の肝再生に関する研究などを進めております。具体的にはラットやマウスを用いて肝胆膵手術における手術侵襲や癌を付加して得られた組織や血流を解析して,新たな病態解明を進め,手術を安全に行うための予防法の開発やこれまでの手術で得られた組織標本を解析し癌の局所進展や転移のメカニズム,化学療法による組織学的効果の解明を目指した研究やラットやマウスの皮膚移植や肝移植モデルを用いて移植免疫機構を解明する研究などを進めています。小動物を用いた基礎実験を行うことによりマイクロサージャリーなど緻密な手術手技を習得することもできます。そして手術をうける患者さんの負担軽減と共に難治癌の治療成績改善に向けた取り組みの一端をご紹介できると思います。
興味を持たれた方は,お気軽にご連絡下さい。

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脳神経外科学
連絡先:中田光俊 TEL:076-265-2383 e-mail:mnakada@med.kanazawa-u.ac.jp
脳神経外科学は、生命や運動、言語、人格、高次脳機能に直接関わりを持つ中枢神経系(脳および脊髄)の外科的疾患を扱う臨床部門である。脳・神経疾患の原因と病態を究明し、その原因を外科的手術、あるいはその他の手段により取り去ることによって脳・神経機能を改善・回復させることを基本目標としている。主たる対象疾患は、脳腫瘍、脳血管障害、頭部外傷、先天性奇形、機能的疾患、脊髄疾患である。治療においてはより低侵襲的でより確実な方法を追及し、難治性疾患に対しては、新しい治療法の開発に挑戦する。また、脳機能を解明し、21世紀の神経科学の発展に貢献する。
研究は手術時摘出検体や細胞株を使用した基礎研究からトランスレイショナルリサーチ、臨床データに基づく臨床研究まで多岐にわたる。

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泌尿器集学的治療学
連絡先:溝上敦 TEL:076-265-2393 e-mail:mizokami@staff.kanazawa-u.ac.jp
(1) 前立腺癌の研究
前立腺癌は男性の癌の中で最も発生頻度が高い癌で、その克服は大きなテーマである。前立腺癌は男性ホルモン依存性癌であるため、その増殖に重要な役割を有しているのがアンドロゲン受容体(AR)である。ARを介する癌の増殖に様々なホルモン、増殖因子、がん遺伝子、転写共役因子などが関与しており、ARに関わる様々な研究を行っている。
(2) 男性における尿路・性器感染症に関する研究
当科では、継時的に男性における淋菌・クラミジア・マイコプラズマ・human papillomavirus(HPV)などの感染状況に関する疫学調査、その病原体感染による男性に対する影響を実施している。特にHPV感染については、男性における感染部位の特定や、尿路性器腫瘍との関連性について、腫瘍検体・尿検体・精液検体を用いて分子細胞学的に推定を試みている。

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耳鼻咽喉科・頭頸部外科学
連絡先:吉崎智一 TEL:076-265-2410 e-mail:tomoy@med.kanazawa-u.ac.jp
耳鼻咽喉科・頭頸部外科は、聴覚・嗅覚・味覚などの感覚器を中心とする神経科学、気道・食道などの生存に必須の臓器に対する外科学、感染・アレルギー・腫瘍に関連する免疫装置、など幅広い分野が研究対象です。とくに、現在増加しているウイルスによる頭頸部癌発癌機構、頭頸部癌の機能温存治療法の開発、アレルギー性疾患の増加など衛生仮説に代表される環境の変化に伴う疾病構造の変化、また、高齢者の増加に伴う嚥下機能評価とその対策などに取り組んでいます。

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腎臓・リウマチ膠原病内科学
連絡先:岩田恭宜 TEL:076-265-22499 e-mail:iwatay@staff.kanazawa-u.ac.jp
腎臓・リウマチ膠原病内科学では、未病から疾患までの過程において、新たな診断や、病態解析法、バイオマーカーの探索を中心とした研究を行っております。具体的には、急性腎障害や慢性腎臓病、自己免疫性疾患の病態解析、診断、活動性、予後評価の確立を試みております。また、腎臓病や自己免疫性疾患は多臓器に障害がおこることも特徴の一つです。この臓器間ホメオスターシスの破綻に関与する介在因子の研究を進めています。これらの検討を通して、腎臓病や自己免疫性疾患の新たなバイオマーカー、治療手段を確立し、予後の改善につなげたいと考えています。

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免疫学
連絡先:華山力成 TEL:076-265-2727 e-mail:hanayama@med.kanazawa-u.ac.jp
当分野では、新たな細胞間情報伝達機構として近年注目されているエクソソームという細胞外小胞の研究を行っています。エクソソームは、分泌細胞由来の蛋白質や脂質、RNA等を運ぶことで、免疫・老化・癌・ウイルス感染など様々な生命現象に関与すると考えられていますが、未だにその生理機能はほとんど解明されていません。更に近年、アルツハイマー病やパーキンソン病など神経変性疾患の原因分子がエクソソームに含まれている事が明らかとなっていますが、これらの疾患の発症をどのように引き起こすのかも解明されていません。
そこで私達は、細胞生物学や生体内イメージング技術などを用いて、エクソソームの生理機能や病気発症との関連性を明らかすることを目指しています。上記の課題に取り組む過程で、様々な技術を覚え、日々発表される論文を的確に評価できる力を養うよう指導します。
週1回以上、研究室で実験をされる方(長期休暇や試験期間などを除く)を希望します。
ホームページ http://immunology.w3.kanazawa-u.ac.jp

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法医学
連絡先:塚正彦 TEL:076-265-2223 e-mail:zukamasa@med.kanazawa-u.ac.jp
異状死体の大半は病死です。なかでも内因性急死の死後診察については経験のある医師にとっても困難な場合があります。内因性急死の三分の二は、心臓・大血管及び頭蓋内出血によって占められますが、当研究分野では、そのいずれにも関係する「血管壁組織脆弱性」をキーワードに、形態観察及び酵素活性測定を土台とした、ゼラチナーゼ(A及びB:MMP-2/MMP-9)解析を軸にした研究を進めています。MRTでは法医解剖の見学等を通じて、形態診断学の基礎となる肉眼解剖並びに病理組織学的解析に慣れ親しんでもらいます。肉眼解剖を通して培われる力は、生きた患者を対象に児童虐待対応当事者から求められる臨床法医学的な診察力に活かされる一方、病理組織診断はヒトゼラチナーゼ解析等の生化学的検査結果と合わせ、生死を問わず各々の法医鑑定に還元されます。社会医学に属する研究分野の中で、この個別事例(症例)への貢献こそが、法医学に異彩を放たせます。研究に興味を持ちつつ、個人医学と社会医学とのバランスを考えている学生さんに、法医学教室はお勧めの場所ではないでしょうか。

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免疫炎症制御学(がん進展制御研究所)
連絡先:須田貴司 TEL:076-264-6720 e-mail:sudat@staff.kanazawa-u.ac.jp
私たちは細胞死について研究しています。激しい物理化学的ストレスで細胞が受動的に死ぬ場合は、ネクローシス(壊死)と呼ばれる死に方をします。これに対しアポトーシス(枯死)は、ウイルス感染細胞など、生体にとって危険・余分な細胞の積極的な(プログラムされた)細胞死です。ところが最近、外見的にはネクローシスの特徴を示すプログラム細胞死が見つかりました。また、死細胞は様々な生理活性因子を放出して、周囲の細胞に情報を発信していることが分かってきました。細胞死にまつわる新しい発見は今も続々となされています。細胞死の変調はがん、神経変性疾患、肝炎、糖尿病など様々な疾患を引き起こします。興味のある方は、我々と一緒に細胞死の不思議に挑んでみませんか。

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遺伝子・染色体構築学(がん進展制御研究所)
連絡先:平尾敦 TEL:076-264-6755 e-mail:ahirao@staff.kanazawa-u.ac.jp
幹細胞は、組織を構成細胞する階層構造の頂点に立ち、多系統にわたる分化細胞を生み出すとともに、自身を造り出す自己複製能を持つ細胞である。がんは、組織幹細胞が前駆細胞を経て分化するいずれかの段階で遺伝子変異およびエピジェネティックな変化が加わることによって、悪性形質を獲得する現象である。がんは正常な細胞動態制御システムが破たんした状態であるものの、正常組織細胞の運命決定システムの基盤上で、がんとしての様々な振る舞いを見せている可能性が考えられる。本研究分野では、幹細胞研究を通して発がんメカニズムを知り、がん治療薬開発に向けた研究を行っている。

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腫瘍動態研究分野(がん進展制御研究所)
連絡先:松本邦夫 TEL:076-264-6745 e-mail:kmatsu@staff.kanazawa-u.ac.jp
組織の再生・修復を担うダイナミックな仕組みは、一方で悪性腫瘍の本態と言えるがん転移や薬剤耐性獲得の生物学的背景となります。私たちは組織の再生・修復、がん転移に要の機能を担う生理活性タンパク質HGF(肝細胞増殖因子)とその受容体(MET)の研究を中心に進めています。最近、革新的な異分野分子技術と連携・融合することによって、従来にない優れた医薬候補となる超機能の分子・タンパク質を創成すること、がん転移に先だった転移しやすい微小環境(pre-metastatic niche)を形成するメカニズムを解明しました(Nat Commun, 2015; Nat Chem Biol, 2019, Nat Biomed Eng, 2022など)。また、基礎研究をもとに起業したバイオベンチャーでHGFの医薬開発が進められています。私たちの研究は、新しい創薬研究として医療の現場に活かされる研究です。

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腫瘍分子生物学(がん進展制御研究所)
連絡先:高橋智聡 TEL:076-264-6750 e-mail:chtakaha@staff.kanazawa-u.ac.jp
ヒトがんを理解し、克服するためには、患者さんから頂いたがんを解析することも必要ですが、遺伝学的・分子生物学的・薬理学的な解析の容易なモデル細胞・動物系を創出し、コントロールの行き届いた実験を行うことも必要です。私たちは、ヒトがんにおいて高頻度で観察される遺伝子変異をマウスに導入することによって、発がん・転移・薬剤耐性・がん幹細胞等の悪性形質を反映するモデル系を作製しています。モデル系がシンプルであるほどに、得られるデータの量や確度が高くなり、そこで得た「ものさし」を用いて、実際のヒトがんを効率的かつロジカルに解析することが可能になります。私たちは、また、このようなモデルを用いて、がんを攻略する時の搦め手となる可能性のある新規パスウェイを見出しています。最近では、RBがん抑制遺伝子の多くの新規機能や、がん幹細胞の成立・維持に必要な代謝様態の解明など行っています。

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分子病態学(がん進展制御研究所)
連絡先:後藤典子 TEL:076-264-6730 e-mail:ngotoh@staff.kanazawa-u.ac.jp
癌と癌幹細胞に注目し、基礎研究から臨床へと連続する研究の展開を目指しています。最先端の分子生物学、細胞生物学的手法、さらにはシステム生物学理論も組み合わせて、癌の早期発見や個々の患者に最適な治療法を選択するための診断マーカーの抽出、そして新しい抗がん剤開発のための新たな分子標的の発見を試み、トランスレーショナルリサーチへと展開しています。
基礎研究では特に、乳癌や肺癌など固形腫瘍の癌幹細胞が生体内に棲みつく仕組みを明らかにすることを目指しています。ヒト乳癌臨床検体から、癌幹細胞を培養することにも成功しました。培養皿の中に球状の塊となって棲みつく癌幹細胞を調べ、癌の根治を目指して一緒に研究しませんか。

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腫瘍遺伝学(がん進展制御研究所)
連絡先:大島正伸 TEL:076-264-6760 e-mail:oshimam@staff.kanazawa-u.ac.jp
近年の診断および治療技術の発展により,がんは早期発見されれば多くの患者が生存できるようになりました。しかし,転移や薬剤耐性などの悪性化した「がん」に有効な治療薬は少なく,進行がん患者の生存率は低いのが現状です。一方で,分子生物学研究やゲノム解析により,がんの発生や悪性化のメカニズムが次第に明らかにされつつあります。腫瘍遺伝学研究分野では,大腸がん,胃がんなどの転移・再発機構の解明を目指して,遺伝子改変マウスや,がん由来オルガノイドの移植モデルなど,ヒトがん悪性化を再現したモデルを開発し,がん細胞と間質細胞との複雑な相互作用に焦点を当てた研究を推進しています。最先端の解析技術によるがん生物学の研究に参画しませんか。
http://genetics.w3.kanazawa-u.ac.jp

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遺伝子改変動物学(実験動物研究施設)
連絡先:大黒多希子 TEL:076-265-2460 e-mail:tdaikoku@kiea.m.kanazawa-u.ac.jp
ヒト疾患モデル動物は病態の解明や、診断・治療法の開発に非常に有用です。疾患モデル分野では、ヒトサンプルの採取が困難である子宮の疾患(不妊症や子宮体癌など)のモデルマウスを遺伝子改変によって作出すること、作出したマウスを用いて疾患に関わる分子機構の解明および治療法の開発を行うことに着目して研究を展開しています。また、他分野の先生方と共同研究を展開し、CRISPR/Cas9システムなどを用いて遺伝子改変マウスを作成して、子宮疾患以外の疾患モデル動物の作出も精力的に行っています。

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疾患解析プローブ・ケミカル分野(アイソトープ総合研究施設)
連絡先:木村寛之 TEL:076-265-2470 e-mail:hkimura@staff.kanazawa-u.ac.jp
「セラノスティクス(Theranostics)」とは、治療(Therapeutics)と診断(Diagnostics)を組み合わせた新しい医療技術であり、患者個々における病態像を正確に捉えた上で、適切な治療を施すことを目指しています。セラノスティクスを実現する診断技術として、生体分子イメージング技術が重要となります。生体分子イメージング技術は、生体での細胞/分子レベルの生理的・生化学的・分子生物学的なプロセスの空間的・時間的分布をインビボで画像化し評価する方法であり、医薬品開発、臨床画像診断、さらに広くライフサイエンス研究で利用されています。当研究室では、@種々の疾患(がん、炎症性疾患、糖尿病、認知症、こころの病気、循環器疾患など)を対象としたイメージングプローブの開発と画像化研究、A開発したプローブを用いた生体機能や病因の解明、B核医学治療用薬剤の開発、C中性子捕捉療法(BNCT)用薬剤の開発、D新規標識反応の開発、Laboratory automation を目指したアーム型ロボットの開発、自動合成装置・自動分析装置の開発などを行っています。国内外の大学や研究機関、病院、企業などと連携して、新しい医療の創生に挑戦しています。

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疾患オミクス分野(研究基盤支援施設)
連絡先:堀家慎一 TEL:076-265-2775 e-mail:sihorike@staff.kanazawa-u.ac.jp
私たち人の体は約 200種類もの細胞から構成されているが、それらはたった 1つの受精卵から派生しており、遺伝情報はすべて同一である。したがってそれぞれの細胞は、役割に応じた必要な遺伝情報のみを適切に使用するようにコントロールされているが、その役割を担っているのが「エピジェネティクス」である。エピジェネティクス制御の破綻は、がん、神経疾患、生活習慣病等、様々な疾患の直接的な要因となるだけでなく、エピゲノムは生活環境により変化しうることから、病気のなりやすさや薬効の個人差など、我々の「個」の違いに大きな影響を与えていると考えられている。さらに、iPS細胞などを用いた再生医療の実用化を目指す上でも、細胞が特定の機能を獲得する過程でエピゲノム変化がどのように関わっているのかを明らかにする必要があり、エピジェネティクス研究は極めて重要な課題となっている。
私たちの研究室では、エピジェネティクスによる遺伝子発現制御メカニズムの解明に取り組んでいる。ヒト染色体改変技術やゲノム編集技術などの手法を用い、マウスES細胞やヒトiPS細胞から様々な疾患モデル細胞を樹立し、エピゲノムを介した疾患発症機序の解明に取り組んでいる。

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代謝生理学(新学術創成研究機構 栄養・代謝研究ユニット)
連絡先:井上啓 TEL:076-265-2840 e-mail:inoue-h@staff.kanazawa-u.ac.jp
心・脳血管疾患などの発症リスクを高めるメタボリックシンドロームは,肥満を要因として耐糖能異常・脂質異常・高血圧を呈する病態であり,健康寿命の延伸を妨げる重要疾患として捉えられています。このメタボリックシンドロームの主要病因として,インスリン抵抗性,すなわちインスリン作用の障害が知られています。近年,インスリン抵抗性の発症に,肝臓・筋肉・脂肪といったインスリン感受性臓器の障害だけでなく,中枢神経・膵臓といった非インスリン感受性臓器が関与している事,さらには,それらの臓器が互いに影響しあい,病態を作り上げていくという事が分かってきました。生体統御学部門では,個体の糖脂質代謝制御の要である肝臓と中枢神経とのクロストークをモデルとして,臓器連関を担うメカニズムとその異常に関しての研究教育に取り組んでいます。具体的には,1)肝臓におけるインスリン作用,特に糖脂質代謝制御の仕組みの解明,2)中枢神経と肝臓との臓器連関の仕組みと重要性の解明,3)中枢神経・肝臓連関の仕組みを用いたメタボリックシンドロームの新規治療・予防法の解明に取り組んでいます。

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神経発生学(新学術創成研究機構 数理神経科学ユニット)
連絡先:佐藤純 TEL:076-265-2843 e-mail:makotos@staff.kanazawa-u.ac.jp
様々な生命現象は多数の遺伝子,蛋白質などの分子,細胞の複雑な相互作用によって実現しています。一般的な生命科学ではこれらの因子1つ1つの働きを調べることになりますが,このような方法では多数の因子から成る相互作用のネットワークがどのように働いているのか,生命現象をシステムとして理解することはできません。
当研究室では数理モデリングと実験を組み合わせることで,生命現象を深く理解することを目指しています。神経回路の形成機構,動作機構など,注目している現象を数式によって表現し,コンピューターシミュレーションによって,直感的には理解することができない複雑なメカニズムを明らかにしたり,新たな現象を予測することができます。
MRTプログラムでは研究室内で行う講習会を通してプログラム言語MatLabを習得していただき,生命現象を数理モデル化したり,コンピューターシミュレーションのプログラムを作成するスキルを身につけて頂きます。数学と言っても高校数学が理解できれば十分ですし,MatLabは初心者向けのプログラミング言語ですので,ハードルは決して高くないと思います。ですが,プログラミングの経験者は大歓迎です。数理モデリングやプログラミングはノートPC さえあればいつでもどこでもフレキシブルに研究を進めることができるので,医学類の学生にとって適した研究手法だと思います。興味を持たれた方はお気軽にお問い合わせ下さい。

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内分泌・代謝内科学
連絡先:篁俊成 TEL:076-265-2711/2710 e-mail:ttakamura@med.kanazawa-u.ac.jp
私たちの教室は、附属病院で内分泌・代謝内科の診療を担いながら、内分泌・代謝学の基礎研究を行っています。
1.内分泌・代謝内科の興味深い症例を解析することで、症例報告や臨床研究を進めています。
2.基礎研究として、糖尿病をはじめとする生活習慣病の仕組みを解明することで、新しい診断法や治療の開発を目指します。
3.国立3大学(金沢・千葉・長崎)が共同で大学院先進予防医学研究科で、能登の志賀町・富来町の住民を対象に検診を実施し、データを解析しています。
MRTプログラムでは、症例を解析→学会で発表→英語論文として投稿することを目指します。基礎研究あるいは能登での検診に参加し、データを解析、発表することも可能です。これらの活動を通じて、将来、リサーチマインドを持った臨床医となる基礎技術が身につきます。

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細胞分子機能学
連絡先:安藤仁 TEL:076-265-2450 e-mail:h-ando@med.kanazawa-u.ac.jp
睡眠や糖・脂質代謝など生体の様々な行動や生理機能には、24時間を1周期とする概日リズム(circadian rhythm)が認められる。このリズムは身体の状態を外部環境(昼夜)に合わせるために重要であり、このリズムと外部環境とがずれた「時差ぼけ」状態では身体に様々な不調をきたす。近年、概日リズムは、時計遺伝子群からなる細胞内体内時計が発振していることが判明し、さらに、体内時計の障害により高血圧、糖尿病、癌などのいわゆる生活習慣病が惹起されることが明らかになってきた。そこで我々は、体内時計障害が生活習慣病をもたらす機序を解明し、その治療薬を開発するための研究を行っている。 では、自分自身で、動物実験を中心とした研究を実施し、結果を解析・議論した上で、学会や国際誌に発表を行うことにより、優れた医師や研究者になるために必要な科学者としての視点を学んでもらう。

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分子細胞病理学
連絡先:前田大地 TEL:076-265-2190 e-mail:daichimaeda@med.kanazawa-u.ac.jp
病理組織形態学をベースとして、全身諸臓器の疾患を対象に研究を行っている。古典的な組織形態観察と次世代シーケンシングを含むマルチオミックス解析系を組み合わることで、腫瘍性疾患のみならず炎症性疾患の本態に迫ることを目指している。その過程では種々のバイオインフォマティクスのアプローチを活用することとなる。
以下に現在取り組んでいる主な研究テーマを挙げる。
・子宮肉腫の背景遺伝子異常(特に融合遺伝子)と組織形態との関連
・正常上皮に存在するp53 signature、β-catenin signatureの生物学的意義
・間質性膀胱炎におけるB-cellのnon-mass-forming clonal expansion
・次世代型病理解剖の確立
・エピゲノム包括的解析、シングルセル解析による肺疾患の成因解明
・動物モデルを活用した動静脈奇形研究

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腫瘍細胞生物学研究分野(がん進展制御研究所)
連絡先:平田英周 TEL:076-264-6710 e-mail:ehirata@staff.kanazawa-u.ac.jp
私たちの研究室は、現代の医学では治癒を得ることができない原発性・転移性の悪性脳腫瘍に対する革新的な治療戦略の開発を目指して研究を進めています。この目的のため、独自に開発したマウスモデルとin vitro共培養系を駆使し、中枢神経系微小環境におけるがん細胞とグリア細胞との相互作用に着目して研究を行っています。またこれとは別に、片頭痛の病態解明を目指した研究も行っています。現在、進行中の研究テーマは以下の通りです。
1. がん脳転移微小環境分子基盤の統合的理解と治療への応用
2. 転移性脳腫瘍に対する新規治療戦略の開発
3. 悪性グリオーマに対する新規細胞療法の開発
4. 片頭痛の病態解明と新規治療法開発に関する研究

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医学類長からのメッセージ

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